導入効果
- 冗長構成の帯域確保型接続回線により24/365の稼働を実現
- ITベンダーに関係各社との仲介を依頼しプロジェクトを円滑に推進
- 今後のAWS環境拡大に向けて強力なパートナーシップを獲得
導入背景
1969年開局の中京テレビ放送株式会社は、愛知・岐阜・三重の3県を放送エリアとする日本テレビ系列の地上波テレビ局だ。バラエティを中心に全国ネット番組の制作や地域密着の情報番組など、多彩なコンテンツを発信し続けている。近年は新規事業やSDGsにも注力し、DXで地域No.1メディア企業を目指している。
同社は2023年、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築するアプリケーションが増えてきたことに伴い、接続回線の見直しを決定した。その際にAWS環境全体の設計から運用まで幅広い技術支援を委託できるITパートナーとして選定したのがTOKAIコミュニケーションズだった。
技術DX推進局 ICT推進グループ
担当副部長
山本 卓也氏
システム推進部 システム業務グループ
システム運用 運用担当
今井 光貴氏
課題
新システムの利用に向けてAWS接続回線の可用性が課題
中京テレビ放送株式会社では2020年頃からAWS環境の利用を開始し、主にデータウェアハウスやPoC用途で活用してきた。2023年、AWS上に構築したアプリケーションが徐々に根幹業務で利用されるようになってきたため、既存のAWS接続回線の見直しが必要となった。その経緯について、技術DX推進局 ICT推進グループ 担当副部長の山本卓也氏は次のように説明する。
「当初は主にPoC用途としてAWSを活用していたのですが、徐々に放送に関わる業務など利用用途が広がり、万が一回線断が発生した際の影響が大きくなってくることが懸念されていました。AWSへの接続には既に他社ベンダーの専用線1本を導入していましたが、このタイミングで高品質な回線を導入し、その上で冗長化を図ることを決定しました」(山本氏)
こうして同社は2023年11月、冗長構成を備えたAWS接続回線への切り替えを本格的に検討開始した。
選定ポイント
技術要件への対応力と全体を見据えた提案力を評価
接続回線の切り替えにあたり、同社は既存の通信事業者とTOKAIコミュニケーションズの2社に声をかけ、重要な通信を優先して処理するためのQoS(Quality of Service)の実装方法や、冗長構成の設計などの技術的な要件を伝えた。
プロジェクトの技術面を担当した中京エレクトロン システム推進部 システム業務グループ システム運用運用担当の今井光貴氏は、TOKAIコミュニケーションズの対応について、次のように評価する。
「技術的なルーティングの設計から、さまざまな障害パターンにおいて想定されるシステムの挙動などについて質問をさせてもらいましたが、その回答が的確で私たちも納得できるものでした」(今井氏)
山本氏も、TOKAIコミュニケーションズの提案のクオリティを次のように評価する。
「AWSに接続するまでの通信回線には、社内のネットワーク環境、通信事業者のネットワーク環境、AWS Direct Connectという3つの領域があります。本来TOKAIコミュニケーションズは、当社とAWSの間に位置する通信事業者の立場ですが、当社側のネットワーク環境やAWSの領域までを把握した上で、適切な冗長化構成を提案してくれました。こうした提案力は、今後AWSをさらに活用してきたいと考えている当社にとって、ベンダーに期待したい部分でした」(山本氏)
そして同社がITパートナーとして最終的に選定したのが、AWSパートナープログラムの最上位ランクであるAWSプレミアティアサービスパートナーのTOKAIコミュニケーションズだった。
導入効果
冗長構成で通信安定性が向上
効率化とコスト削減も実現
今回、同社は、AWSに接続する計4本のリレーションEthernetを導入した。一般系の回線として、300MbpsのリレーションEthernet 2本と、放送系の回線として、200MbpsのリレーションEthernet 2本である。後者には、重要な通信を優先して処理するために、QoSオプションが付帯している。これらの回線はすべて、自社オフィスのオンプレミス環境から、AWS Direct Connectへの接続拠点となる2か所のデータセンターへアクセスするための回線である。
「このような冗長構成を採用することで、今まではベストエフォート型の回線1本だったネットワーク環境を、帯域確保型の回線計4本の安心・安全な通信環境に移行することができました。また、今後のAWS環境全体の最適化について、専門的な知見を持つTOKAIコミュニケーションズに相談できる体制が整ったことも大きなメリットです」(山本氏)
今回、同社はリレーションEthernetと一緒にAWSリセールサービスも利用を開始した。
「これまではAWSとの直接契約だったのですが、TOKAIコミュニケーションズのAWSリセールサービスを導入すれば、事務処理の効率化が実現できます。請求書払いへの対応とコスト削減を両立できるAWSリセールサービスも、ユーザー企業にとっては大きなメリットを提供してくれるものだと思います」(山本氏)
さらにTOKAIコミュニケーションズのサポートは、プロジェクトを進める過程で直面した数々の課題をクリアしていく上でも、大きな効果を発揮したという。今井氏は、当時の状況を次のように振り返る。
「AWSへの接続を考える中で、一番苦労したのが可用性の検証でした。例えば、特定のネットワークが切れた場合の通信経路はどうなるかなどです。検証を重ねていく過程で破綻してしまうケースも度々ありました。そのような場合には、TOKAIコミュニケーションズに随時相談し、障害が起きたときの最適な経路への切り替えルート設計について、的確な意見を出してくれました」(今井氏)
また、山本氏は、技術的な知見やノウハウだけにとどまらないTOKAIコミュニケーションズのプロジェクトマネジメント力も高く評価している。
「今回の回線導入では、複数のITベンダー様が担当している放送系システムともインターフェースを合わせる必要がありました。しかし、設計を進めていく中で、当初とは違う要件が発生して、急いで対応策を考えなければならない場面も出てきました。そんなときでも、TOKAIコミュニケーションズはすぐに打ち合わせの場を設けて、問題の解決に迅速に取り組んでくれました。こうしたサポートも本当に助かりました」(山本氏)
今後の展望
クラウドとオンプレの使い分けでAWS活用を拡大
同社は今後もクラウドとオンプレミスの使い分けを進めながら、AWS環境の活用を拡大していく方針だ。今後の展望について、山本氏は次のように語る。
「すべてをクラウドに移行するのではなく、オンプレミスとクラウドをうまく使い分けていくのが良いと考えています。AWSの利用が最適だと考えているのは、やはりPoC的な取り組みですね。簡単にサーバーやサービスを立ち上げることができ、止めたければ、すぐに利用を停止することができる。そうした柔軟性の求められる、アジリティの高い取り組みにはAWSをどんどん使っていきたいと思います」(山本氏)
今後は、AWSの各種サービスを組み合わせることで、これまでオンプレミスでサーバーを立て、プログラムを開発していたようなアプリケーション領域を、より安定的かつ属人化しない形で構築、運用していきたい考えだ。
特に、同社では現在AI関連の開発プロジェクトが活発化しているという。
「今はAI系のプロジェクトが複数立ち上がっており、多様なAIを使った新しいアプリケーションを毎月のようにリリースしています。例えば報道記事の誤りを検出するプログラムや、プレゼンテーション資料を自動作成するもの、画像生成するものなどは、コンテンツ制作支援の場面で活用しています。こうした取り組みは、すべてAWS環境を使って進めています」(山本氏)
同社では、AWS環境をより活用していくために、3~4名のAWSエンジニアを置いている。
「TOKAIコミュニケーションズとは今回が初めてのお取引でしたが、商談を重ねるなかで、AWSに対する知見と対応力の高さを感じられ、安心感を持ってプロジェクトを進めることができました。今後もAWSとネットワーク関連のソリューションを統合的に提案してくれるITパートナーとして、TOKAIコミュニケーションズの力強いサポートを期待しています」(山本氏)
- 本導入事例の内容は制作時(2026年4月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。
- その他記載されている会社名、製品名、サービス名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。
Company Profile
中京テレビ放送株式会社
- 開局
- 1969年4月
- 所在地
- 愛知県名古屋市
- 事業内容
- 放送法によるテレビの放送事業、放送番組の制作・販売、出版物・グッズなどの販売、文化・スポーツ事業、その他放送に関する一切の事業
- URL
- https://www.ctv.co.jp/
