AWS導入事例 国際会計基準の取得を目指してシステム環境を刷新、AWS+奉行シリーズでよりセキュアな情報基盤構築を実現

  • 永峰・三島会計事務所様
  • 専門サービス業/税務・会計・給与計算等
Nagamine&Mishima Accounting practice since 1989

導入効果

  • AWSへの移行でセキュアな情報基盤を構築
  • バックアップやログ取得でインシデント発生時のリスクにも対応
  • サポートデスクの利用で社内の運用負荷軽減

導入背景

国際会計基準の取得のため、ITも含めた業務環境整備が必要となった

会計・税務や給与計算、支払い代行などのサービスを提供する永峰・三島会計事務所は、1989年9月の設立から一貫して、外資系企業に向けた英語によるサービス提供を大きな強みとしている。そして数年前からは、日本進出を検討する海外企業から国際会計基準「ISAE3402(受託会社の内部統制に係る保証報告書)」を取得しているかどうかの問い合わせが増えてきていた。同事務所はさらなる顧客拡大のためにISAE3402の取得を目指すことにしたが、保証報告書の取得にはITも含めた業務環境の整備を行う必要があった。そこでTOKAIコミュニケーションズに支援を依頼、財務会計ソフトとして利用していた奉行シリーズをアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)に移行し、バックアップやログ取得の仕組みを構築するシステム刷新プロジェクトに着手。よりセキュアなシステム環境を構築することに成功した。

永峰・三島会計事務所
パートナー/公認会計士
永峰 潤 氏

課題

認証取得のためにオンプレミス環境の見直しが急務

永峰・三島会計事務所の主な顧客層は外資系企業であり、日本に進出してくる海外企業の会計・税務から人事までの相談に英語でかつワンストップで対応できるのが同事務所の大きな差別化ポイントだ。一方で、ここ数年、日本進出を検討する海外企業からISAE3402取得の有無を聞かれる場面が増えてきていた。本来、海外企業との取引を始めるにあたり、海外企業の監査法人から同事務所が監査を受け、信頼に足るパートナーだという証明をしてもらう必要があるが、その監査には当然コストと時間がかかる。しかしISAE3402を取得していればその手続きを省略することができるため、取引開始までの時間を大幅に短縮することが可能だ。ビジネススピードは格段にアップする。

そこで同事務所はISAE3402の取得を目指すことにしたが、現行のシステム環境は大きな課題を抱えていた。この点について、同事務所を設立したパートナー/公認会計士の永峰潤氏は、次のように説明する。

「これまで我々のITは、当時取引のあったソフトハウスに対して会計ソフトのインストールを依頼する程度でした。社内ネットワークの構築もありますが、事務所の規模が大きくなかったこともありそれほど難しい作業ではありません。しかし、現在は企業にとってITが必要不可欠なインフラとなっている状況にあります。当事務所のスタッフが約80名規模になっていることに加え、さらに国際基準への準拠も考えた時、従来のITでは今後のビジネスに対応していくことは非常に難しいと感じていました」(永峰氏)。

またこれまでの同事務所のシステム環境について、HRコンサルティンググループパートナーの松尾貴子氏は、次のように説明する。

「2016年のはじめ、ISAE3402を取得するために監査法人に依頼し、私たちの環境を見ていただきました。オフィス内のオンプレミス環境やシステム運用管理方法について、いくつか改善の余地があり、この状況では保証報告書の取得は難しいという指摘を受けました」(松尾氏)。

永峰・三島会計事務所
HRコンサルティンググループ
パートナー
松尾 貴子 氏

解決策

プロに依頼するのが最も合理的と判断、4社からTOKAIコミュニケーションズを選定

ITの進展は非常に速く、不可逆だ。追随できなければ新たなビジネスを立ち上げることも、新たな顧客を獲得することも難しい。永峰氏は社外セミナーへの参加などを通じて「我々の業界は遅れていることを痛感した」と話す。

「会計事務所では人的リソースで対応している業務が多々ありますが、今は会計ソフトがクラウドサービスで提供される時代です。IT活用の流れは止めることができません。しかし私たちの規模ではIT部門を抱えることはできず、ITへの対応も後手に回らざるを得ません。きちんとしたプロフェッショナルにお手伝いしてもらうのが、最も合理的であると判断しました」(永峰氏)。

「ISAE3402の取得を含む今後のビジネス展開を考えた時、中長期的な視点からIT環境をどうしていけばいいのか、どれぐらいのIT投資が必要なのかをアドバイスしてくれるパートナーが必要でした」(松尾氏)。

それまで同事務所では、勘定奉行・償却奉行・給与奉行の各奉行シリーズを物理サーバで運用していたが、それはスタッフ20名規模の時に作ったシステムをつぎはぎして使っている状態であり、バックアップやログ管理についてより万全な対策を講じる必要があった。そこで奉行シリーズ一式をAWSに移行し、AWSへのセキュアなネットワーク接続と社内ネットワーク環境を整備、さらに万一の障害時に備えたデータの自動バックアップ/リストア、アクセスログの取得、運用管理サービスの提供までを要件として、4社のITベンダを候補に挙げ、その中から今後のパートナーとして選んだのがTOKAIコミュニケーションズだった。

お客様拠点とAWS間はTOKAIコミュニケーションズが提供するBroadLine「リレーションEthernet」と「VIC-VPN for AWS」で接続されています。お客様拠点ではInbound Service、給与計算サービス、キャッシュマネジメントなどのシステムが稼働しています。AWS上では、運用管理サーバや奉行サーバ、セキュリティ管理サーバ、資産管理サーバなどが稼働しています。TOKAIコミュニケーションズのサポートデスクがお客様からの問い合わせ対応と運用監視を行っています。

選定ポイント

AWSと奉行シリーズの豊富な知見とコスト、および士業での実績を高く評価

4社の中から最終的にTOKAIコミュニケーションズを選定した理由について、松尾氏は次のように説明する。

「ポイントは大きく3つあります。まず我々の規模に見合ったコストで実現可能な提案内容だったこと。次にクラウドサービス(=AWS)を基盤に、奉行シリーズをきちんと稼働させる実績を持っていたこと。そして私たちの監査法人をはじめ、“士業”のお客様も数多くサポートしている安心感があったことです。実際にTOKAIコミュニケーションズのオフィスに足を運び、AWS上の奉行シリーズを体験させてもらったことで、使用感の確認もできました」(松尾氏)。

TOKAIコミュニケーションズは、AWSのアドバンストコンサルティングパートナーであり、OBCの認定パートナーでもある。同事務所のサービス提供の根幹を支える[AWS+奉行シリーズ]の環境を考えた時、2つの資格は大きな信頼につながったという。システム刷新プロジェクトは2016年夏にスタートし、実際に奉行シリーズを使う約60名のスタッフが一斉にアクセスするというパフォーマンステストも経た上で、2017年5月末にカットオーバーした。

具体的なシステム環境としては、各奉行を従来の奉行iシリーズから奉行i10シリーズへとバージョンアップしてAWSに移行。これまでに400回線以上のAWS接続回線の実績を持つTOKAIコミュニケーションズがAWSへの専用回線を敷き、コアルータを導入して社内ネットワークのセキュアな制御も実現するとともに、自動バックアップとアクセスログの取得を行う。そしてTOKAIコミュニケーションズのサポートデスクが同事務所のシステム運用をサポートするという形だ。同事務所はISAE3402取得に向けて準備を進めている。

今後の展望

ユーザに寄り添うサポートに大きな信頼、将来必要なITの“目利き”にも期待

システム刷新プロジェクトを進めるにあたって、松尾氏はTOKAIコミュニケーションズのサポートにも大きな信頼を寄せていたと強調する。

「我々はITの専門家ではないので、何か社内で設定作業をしなければならない時も分からないことが多々あります。そんな時にサポートの方が来てくれて、隣に座って詳しく教えてもらえたのは本当に助かりました。また、メールで問い合わせをすると、まず電話で連絡をいただきます。その後メールでも返信がありますが、やはり問い合わせをする時は困っている時ですので一刻も早く問題を解決したい。迅速な対応は非常に安心感のあるところです」(松尾氏)。

また、同事務所では、プロジェクトの進行中に既存環境でセキュリティ上の課題が見つかったことがあった。

「新しい環境を作ってもらっていたTOKAIコミュニケーションズに相談したところ、原因究明のためにはPCの内部を調査する必要があるということで、そのためのサービスを提供する会社まで紹介してもらいました。そんなサービスがあることさえ私たちは知らなかったので、本当に心強かったですね」(松尾氏)。

そして今後TOKAIコミュニケーションズに期待する点について、永峰氏は次のように総括する。

「ITの専任部隊を置くことができない我々は、日進月歩で進化し続けるITのトレンドを把握することが難しい状況にあります。また大企業で活用されているITが、我々の規模の組織にそのまま適用できるかどうかも疑問です。今回TOKAIコミュニケーションズには我々のシステム環境一式を構築してもらいました。こうしたことを念頭に置いて、今後トレンド変化が起こった時には、我々に必要なITかどうかを“目利き”した上で、随時提案していただく役割を期待したいですね」(永峰氏)。

  • 本導入事例の内容は制作時(2017年11月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。

Company Profile

永峰・三島会計事務所

設立
1989年9月1日
本社所在地
東京都千代田区
事業内容
英語による税務・会計・給与計算等のサービス提供(外資系企業インバウンドサービス、日系企業海外進出支援サービス 他)
URL
http://www.nagamine-mishima.com 新規ウィンドウで開く
Nagamine&Mishima Accounting practice since 1989

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