最終更新日:2025.08.27

AWSコンテナ管理入門|Amazon ECSの特徴・料金・使い方を徹底解説

AWSコンテナ管理入門|Amazon ECSの特徴・料金・使い方を徹底解説

「アプリケーションの開発環境を整えるのに時間がかかりすぎる」
「本番環境と開発環境で動作が異なってしまう」

このような悩みを抱えている開発者の方はいらっしゃいませんか。
近年、これらの課題を解決する技術として「コンテナ」が注目を集めています。コンテナ化により、アプリケーションとその実行環境を一つのパッケージにまとめることで、どこでも同じように動作する環境を簡単に構築できるようになります。
しかし、コンテナが便利である一方で、「複数のコンテナを管理するのが大変」「障害時の対応が複雑」といった新たな課題も生まれています。
そこで活用したいのが、AWSが提供する「Amazon ECS」です。Amazon ECSは、AWS上でコンテナを効率的に管理・運用できるフルマネージドサービスで、コンテナ管理の煩雑さを解消してくれます。
この記事では、

  • Amazon ECSとは何か?
  • どんなことができて、どんなメリットがあるのか?
  • 他のAWSコンテナサービスとの違いは?
  • 実際の料金はどのくらいかかるのか?

といった疑問に、コンテナ初心者の方にも分かりやすくお答えしていきます。Amazon ECSを活用することで、開発者は複雑なコンテナ管理から解放され、最も重要なアプリケーション開発に集中できるようになるでしょう。

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Amazon ECSとは?AWSコンテナ管理サービスの概要

Amazon ECSとは、「Amazon Elastic Container Service」の略称で、AWS上でDockerコンテナの実行・停止などの管理を行えるフルマネージド型のコンテナオーケストレーションサービスです。

簡単にいうと、アプリケーション運用に必要なリソースが詰め込まれた、箱(コンテナ)を管理するサービスです。従来は、大きな部屋(サーバー仮想化)を使ってアプリケーションを開発・運用していたのですが、コンテナという箱で代用することにより、効率的にスペースを活用し、処理速度なども早めながら、複数の環境を同時に動かせるようになりました。

なぜコンテナオーケストレーションが必要なのか

複数のコンテナを運用・管理するのは容易ではありません。コンテナ利用時の原則として「1コンテナ1プロセス」というものがあるため、アプリケーションの開発・運用環境を構築すると、数多くのコンテナが必要となり、AWSコンテナ管理が煩雑になりがちです。

そこでAmazon ECSを使うことで、コンテナの管理について頭を悩ませることなく、AWSコンテナ オーケストレーションを自動化し、アプリケーションの開発や運用を効率化できます。

そもそもコンテナとは|従来の仮想化との違い

続いて、コンテナの具体的な仕組みや性質について解説していきます。コンテナを動かすためには、コンテナエンジンが必要です。そのコンテナエンジン(プラットフォーム)の種類は複数あり、現在の事実上の標準(デファクトスタンダード)として世界中の開発者に利用されているものが「Dockerコンテナ」です。今回は、このDockerコンテナ利用をベースとしながら解説します。

コンテナとは

コンテナは、サーバー仮想化技術の一つで、アプリケーションおよびその実行環境をひとまとめにした箱のようなものです。ここでいうサーバーの仮想化とは、物理的なマシンの中に仮想的なコンピュータを作り、一台のマシン上で複数のOSを動かせる技術のことです。テスト環境の構築や異なるアプリケーションの同時運用など、サーバー環境を効率的に使用したいときに重宝します。

従来のサーバー仮想化は、「ハイパーバイザー」と呼ばれる仮想化ソフトウェアを用いたやり方が一般的でした。しかし、このやり方では、それぞれの仮想マシンにOS全体をインストールする必要があり、結果として設定が複雑化して多くの容量が必要になる、といった問題が発生していました。

この問題の解決策として登場したのが、コンテナです。コンテナでは、ハイパーバイザーの代わりに「コンテナエンジン」を使って、OSのリソースを直接利用します。コンテナ内には、アプリケーションとその実行に必要なライブラリや設定ファイルのみが含まれており、OS自体は含まれていません。これにより、コンテナの容量は非常に軽量化し、起動も速くなったことで、より少ないリソースで多くのコンテナを稼働できるようになりました。

コンテナの抱える課題

コンテナには以下のような課題があります。

管理の複雑化
管理が大変になると、ヒューマンエラーも起こりやすくなるため、AWSコンテナ管理の課題となっています。

対障害性の問題
ホストOSに何かしらの障害が発生してシステム起動に問題が起きると、連動してコンテナも影響を受けます。コンテナが影響を受けると、サービス停止やパフォーマンス低下などビジネス上のリスクとなり、企業にとっては大きな損失につながってしまいます。
このような事態を防ぐためにも複数のサーバーにコンテナを分散させる必要がありますが、これがさらにAWSコンテナ管理を煩雑にするという悪循環に陥ってしまいます。

AWSコンテナサービス選択ガイド|ECS vs EKS vs App Runner

AWSでは複数のコンテナサービスを提供しており、用途に応じて最適なサービスを選択することが重要です。

AWSコンテナサービス比較表

サービス 特徴 適用場面 学習コスト
Amazon ECS AWS独自のシンプルなコンテナオーケストレーション 中小規模、AWS環境中心
Amazon EKS Kubernetes基盤のコンテナオーケストレーション 大規模、マルチクラウド対応
AWS App Runner コード・コンテナからの自動デプロイ 小規模なWebアプリ、API

どんな場面でAmazon ECSを選ぶべきか

Amazon ECS 、Amazon EKS のどちらを利用すべきかは、場面によっても異なります。

Amazon ECSがおすすめの場面

  • AWS環境での中小規模なコンテナ運用
  • Kubernetesの学習コストを避けたい場合
  • シンプルなコンテナオーケストレーションで十分な場合
  • AWSサービスとの緊密な統合を重視する場合

Amazon EKSがおすすめの場面

  • 大規模・複雑なコンテナアプリケーション
  • Kubernetesの豊富なエコシステムを活用したい場合
  • マルチクラウド対応が必要な場合

Amazon EKSとの違い

類似サービスとして、AWS上でKubernetesを利用するためのサービス「Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)」についても触れておきましょう。Kubernetesとは、コンテナ化したアプリケーションを大規模に管理するためのオープンソースのコンテナオーケストレーションシステムです。

Amazon EKSは、AWS上でKubernetesを使ってシステムを構築するにあたって、AWSコンテナ管理を効率化してくれるサービスです。Amazon ECSのKubernetes版であると覚えておきましょう。

Amazon ECSの構成要素と起動タイプ

続いて、Amazon ECSの4つの構成要素と3つの起動タイプを解説します。

Amazon ECSを構成する4つの要素

タスク

タスクは一つ以上のコンテナで構成され、特定のタスク定義に従って動作する要素のことです。

タスク定義

タスク定義はタスクを作成するための設計図のようなもので、テンプレート定義として設定して、使用コンテナやそのコンテナをどう動かすかをの細かく設定できます。

サービス

サービスとは実行中のタスクの稼働数を維持して、障害時には自動でタスクを再起動します。そのほかロードバランサーの指定やタスクを実行するネットワーク設定などの役割も担っています。

クラスター

クラスターはタスクやサービスが実行される基盤です。複数のクラスターを設定することで、本番環境とテスト環境などの異なる環境を分離できます。

Amazon ECSの3種類の起動タイプ

Amazon ECSは、コンテナを動かすための環境として、3つの起動タイプを用意しています。それぞれの概要は下記の通りです。

AWS Fargate|サーバーレスコンテナ実行環境

AWS Fargateは、サーバーレス環境でコンテナを動かす起動タイプです。フルマネージドサービスのため、アップデートなどは自動で行ってくれ、サーバーの管理を気にせず、コンテナの設定に集中できます。

料金体系: コンテナが使うCPUやメモリといったリソースの量に応じて課金

Amazon EC2|カスタマイズ重視の起動タイプ

Amazon EC2は、EC2インスタンス上でコンテナが実行される起動タイプです。このタイプは、OSやミドルウェアなどのサーバー管理を行う必要がありますが、設定や運用の自由度が高く、必要に応じて直接サーバーにアクセスできる利点があります。

料金体系: EC2インスタンスの使用料やEBSボリュームの使用料、データ転送料金など

なお、Amazon EC2については以下の記事で詳しく解説しております。併せてご覧ください。

おさえておきたい基本サービス Amazon EC2とは?|AWS活用法

Amazon ECS Anywhere|ハイブリッド環境対応

Amazon ECS Anywhereは、上記2つと異なり、AWSのクラウド以外のオンプレミス環境でもコンテナを実行できる起動タイプです。これにより、自社のデータセンター内のリソースを利用してコンテナを管理できます。

料金体系: オンプレミス環境などで実行されたタスク分にのみ課金

Amazon ECSを利用するメリット

ここからは、Amazon ECSを導入するメリットを3つ紹介します。

コンテナの管理業務を効率化できる

コンテナ管理は、コンテナの数が多くなるほど管理も大変になっていきます。しかし、Amazon ECSを使えば、複数のサーバー上のコンテナを簡単に管理が可能となります。

【主な自動化機能】

  • タスクのスケジューリングと管理の自動化
  • 自動的なスケールアップおよびスケールダウン
  • ヘルスチェックと障害時の自動復旧

これによって開発者は、煩雑なAWSコンテナ管理業務に時間を割くことなく、開発業務により専念できるようになるでしょう。

処理速度が高速

先述の通り、コンテナはハイパーバイザーによるサーバー仮想化に比べて、少ないリソースや容量で稼働できます。その結果、処理も高速になり、起動にも時間がかからず、アプリケーションのパフォーマンスの向上が期待できます。

環境移行を簡単に行える

Amazon ECSではコンテナをパッケージ化して管理するので、必要に応じて異なるサーバーへの移行が簡単に行えます。コンテナごと移行できるため、リソース不足時の別サーバーへ移行も迅速に対応可能です。

Amazon ECSの料金体系

最後に、Amazon ECSの料金体系について紹介します。Amazon ECSの利用料金は、起動タイプによって異なります。起動タイプとは、コンテナを実行するための基盤となる環境の種類です。そもそもAmazon ECS自体は、追加料金なく利用できるため、料金が発生する場合はどの起動タイプを利用するかによって料金も異なります。起動タイプごとの料金内容は、以下の通りです。

AWS Fargate

AWS Fargateは、サーバー管理をAWSに完全に任せられるマネージドサービスです。コンテナが使うCPUやメモリといったリソースの量に応じて料金が発生します。次に解説するAmazon EC2に比べて、手軽に利用しやすくサーバーのセットアップや管理の手間も省けます。

Amazon EC2

EC2インスタンスの使用料やEBSボリュームの使用料、データ転送料金などが発生します。Amazon EC2は、自分で立ち上げたEC2インスタンス上でコンテナを実行します。AWS Fargateに比べて手軽さは劣りますが、高度なカスタマイズが可能です。

Amazon ECS Anywhere

オンプレミス環境などで実行されたタスク分にのみ料金が発生します。Amazon ECS Anywhereは、AWS FargateやAmazon EC2と違い、オンプレミスなどの自社既存サーバーを利用してコンテナを実行できるため、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境での運用に適しています。

まとめ

Amazon ECSは、AWS上でコンテナを効率的に管理するためのサービスです。コンテナの中に開発・運用環境を構築することで、処理速度も早くなり、移行もコンテナごと簡単に行えるなど、さまざまなメリットを得られます。コンテナを使った開発環境の構築は管理が煩雑化するなどの課題がありますが、Amazon ECSを使えば、たくさんのコンテナを効率的に管理でき、開発者は最も重要な開発業務に集中できるでしょう。

AWSコンテナサービスの導入を検討されている方は、以下のステップをおすすめします。

  • 1.
    小規模な検証環境での試行:AWS Fargateを使った簡単なWebアプリケーションのデプロイ
  • 2.
    他のAWSサービスとの連携検討:Amazon ECR、Application Load Balancer等との組み合わせ
  • 3.
    本格運用に向けた設計:監視・ログ管理・CI/CDパイプラインの構築

この機会に、コンテナ化を取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、AWS導入をより深く理解したい方には、実践的なノウハウをまとめた資料もご用意しております。

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