最終更新日:2025.09.29

Amazon QuickSightとは?機能・メリット・活用事例をわかりやすく解説

Amazon QuickSightとは?機能・メリット・活用事例をわかりやすく解説

「最近、仕事で『Amazon QuickSight(クイックサイト)』という言葉を耳にしたけれど、一体何のことだろう?」

「データ活用が重要だと言われるけど、何から始めたらいいかわからない...」

もしあなたがこのように感じているなら、この記事はきっとお役に立ちます。

この記事では、データ分析の専門家ではない方に向けて、「Amazon QuickSightとは何か?」という基本から、以下の点を分かりやすく解説します。

  • Amazon QuickSightで何ができるのか
  • 導入するメリットや料金のイメージ
  • 実際のビジネス現場での活用事例

専門用語を極力使わずに解説しますので、ぜひ最後までご覧いただき、データ活用の第一歩を踏み出してください。

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Amazon QuickSightとは

Amazon QuickSight(以後、QuickSight)とは、一言でいうと「専門家でなくても、社内の様々なデータをグラフなどで分かりやすく"見える化"できる、AWS のクラウドサービス」です。

こうしたツールは、一般的に「BI(ビジネスインテリジェンス)ツール」と呼ばれます。難しく聞こえるかもしれませんが、要は「ビジネスの状況を正しく理解し、次のアクションを決める(意思決定)のを助けてくれる道具」だと考えてください。

これまでExcelなどで時間をかけて手作業で行っていたデータ集計やグラフ作成を、QuickSightは自動化し、いつでも最新の状況を共有できるようにしてくれます。

AWS公式 Amazon QuickSightダッシュボードデモ画面新規ウィンドウで開く

AWSで使えるBIツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。

AWSで使えるBIツール3選!Amazon QuickSight・Tableau・Power BIの違いと選び方を解説|TOKAIコミュニケーションズ

Amazon QuickSightの主な機能

具体的にQuickSightで何ができるのか、主な機能を3つのステップでご紹介します。

データの取り込みと準備

社内には、Excelファイル、CSVファイル、売上管理システムのデータベースなど、様々なデータが点在しています。QuickSightは、それらのバラバラの場所にあるデータを取り込んで、分析しやすいように一つにまとめる機能を持っています。

データの可視化

取り込んだデータをもとに、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、地図といった様々な形式のビジュアルを、マウス操作で簡単に作成できます。数字の羅列だけでは気づけなかったデータの傾向や変化を、直感的に理解できるようになります。

ダッシュボードの作成と共有

作成した複数のグラフや表を、一つの画面(ダッシュボード)に自由に配置できます。このダッシュボードはWebページとして関係者と共有できるため、メンバーはいつでも自分のPCやスマートフォンから最新の状況を確認し、同じデータを見ながら議論を進めることができます。

Amazon QuickSightが選ばれる3つの主な特長

数あるBIツールの中で、QuickSightが特に優れている点を3つご紹介します。

サーバー管理が不要で手軽に始められる

通常、こうしたシステムを導入するにはサーバーの準備や設定、その後の運用管理が必要で、専門知識が求められます。ですが、QuickSightはAWSのサービスなので、そうした面倒なサーバー管理が一切不要です。使いたいと思ったその日から、すぐに分析を始めることができます。

社内のあらゆるデータをまとめて分析できる

QuickSightは、小さなExcelファイルから、AWS上にある大規模なデータベースまで、多種多様なデータに接続できます。これにより、これまで部署ごとに分断されていたデータを統合し、会社全体の視点で横断的な分析を行うことが可能になります。

AI(機械学習)が分析を手伝ってくれる

QuickSightには、AWSの高度なAI(機械学習)技術が組み込まれています。これにより、データから「売上が急に伸びている原因は、この商品の影響かもしれません」といったビジネス上の"気づき"を自動で発見し、文章で教えてくれる機能があります。データ分析の専門家でなくても、深い洞察を得る手助けをしてくれます。

Amazon QuickSightの料金体系をざっくり解説

「便利なのはわかったけど、料金は高いのでは?」と心配になるかもしれません。QuickSightの料金は、初心者でも始めやすい仕組みになっています。

  • 基本はユーザー単位の月額料金
  • 料金は、QuickSightを利用する人数(ユーザー数)に応じた月額払いが基本です。

  • 使った分だけ支払うのでスモールスタートに最適
  • 大きな特徴は、閲覧するだけのユーザーは「ダッシュボードを見た時間」だけ料金が発生する従量課金制を選べる点です。 そのため、全社員にアカウントを配布しても、あまり使わない人のコストは最小限に抑えられます。

具体的な金額はプランによりますが、コーヒー数杯分程度の月額料金からデータ分析をスタートできる、とイメージしてください。

具体的な金額や詳細なプランについては、Amazon QuickSightの公式料金ページ新規ウィンドウで開くをご確認ください。

さまざまな業界におけるAmazon QuickSightの活用事例

データ分析に欠かせないQuickSightは、既にさまざまな業界で活用されています。ここからは、通信業界やIT業界などの企業がQuickSightを活用し成功した事例をご紹介します。

東日本電信電話株式会社(NTT東日本):小売店向け顧客レポートサービス

会社概要と抱えていた課題

電気通信業者として知られるNTT東日本は、アースアイズ社のAIカメラを駆使した防犯システム AIガードマンを運営しており、全国の小売店で活用されています。現在小売業界の万引きによる被害は深刻化し、年間4兆円以上の影響があるといわれています。そこでNTT東日本は、AIを駆使した防犯カメラを開発。AIカメラで不審行動を探知するとスタッフのスマホに通知し、すぐにスタッフが声をかけることで万引き防止につなげる仕組みを構築しました。

また、AIガードマンのサポートセンターでは、店舗から届く困りごとやデータをレポート化し、Excel形式で顧客に提供しています。しかし、膨大なデータを抽出・加工し、各顧客にメール送信する工程がすべて手作業で行われ、レポート送信は週に1度が限界でした。

選定理由

そこで、業務の効率化などを目的としてBIツールの導入を決断。機能性・マルチテナント管理・セキュリティ・コストの観点から、QuickSightが選ばれました。ビッグデータを扱うアースアイズ社は、既にAWSを導入していたため、データ連携が容易だったことや、AWSの拡張性、安価な料金も選定の決め手となりました。

導入効果

導入後、売り場ごとの検知状況を円グラフで表示したり、声かけ率の分析をヒートマップや散布図で実施したり、蓄積データを可視化したことで、鋭い考察が容易になりました。また、レポート作成の自動化にも成功し、週1回が限度だった顧客へのレポート送信が毎日行えるようになりました。スタッフのデータ加工や送信の手間も省略でき、導入から4年後には、年間750万円の稼働費削減を見込んでいます。

さらに事例について詳しく知りたい方は、以下ページを参照ください。

Amazon Web Services ブログ 【開催報告】Amazon QuickSight事例祭り ~クラウドBIを使ったデータビジネス~新規ウィンドウで開く

ソフトブレーン株式会社:営業支援SaaSにおけるデータ分析サービス

会社概要と抱えていた課題

ソフトブレーンの主力商品は、eセールスマネージャーRemix Cloudという営業支援システムです。このサービス上におけるデータ活用では、既に社内で開発したBIツールを利用していました。独自開発したグラフレポートは機能が限られており、本来のBI機能を提供するには不十分で、利便性にも課題がありました。

選定理由

そこで、高度で豊富な分析機能を備えたQuickSightの導入を決断。QuickSightは、サービスのアップデートが頻繁に行われるため、常に最新機能を使うことができ、すべての機能がWebブラウザ上で利用できるという利便性も、大きな決め手となりました。

導入効果

導入後、主力商品の提供価格を下げることに成功し、これまで有料だったオプションの標準装備が実現できました。結果的に顧客満足度の向上につながったといいます。さらに、すべての機能がWebアプリケーション上で完結するため、利便性も大幅に改善。サーバーレス化によって管理コストも削減できました。

さらに事例について詳しく知りたい方は、以下ページを参照ください。

Amazon Web Services ブログ 【開催報告】Amazon QuickSight事例祭り ~クラウドBIを使ったデータビジネス~新規ウィンドウで開く

レバレジーズ株式会社:ITエンジニア市場分析サービス

会社概要と抱えていた課題

IT、医療・介護の分野で就職・転職などをサポートする、人材派遣業のレバレジーズは、ITエンジニアに特化した日本最大級の転職支援サービス レバテックを運営しています。これまでは、ユーザーに対してエージェントスタッフを介して情報を提供してきましたが、より迅速なマッチングを実現するために、更に分かりやすい情報の可視化が求められていました。

選定理由

そのため、ITエンジニアに必要な情報を届けられる市場分析ページを制作する必要がありました。しかし、それにはBIツールが必要でした。当初は、既存オンプレミスのBIツールをレバテックに組み込む予定でしたが、開発時間や導入後の運用コスト・利便性が悪く不採用となりました。代わりに選ばれたのが、同社が求める要件を満たしたQuickSightです。主に、費用とユーザビリティの高さが決め手となりました。

導入効果

同社はQuickSightを活用してBIを応用した市場分析ページを、わずか2日で開発。QuickSightは、マネージドサービスのため、管理コストがほとんどかからず、既存のデータベースとの連携も簡単に行えました。認証情報は、AWS Secrets Managerに隠蔽することで、セキュリティー強化も同時に実現。完成した市場分析ページは、エンジニアユーザーからも好評でSNSなどでも注目を集め、企業ユーザーからも「自社で取り扱う技術を選定しやすくなった」と好評を得ています。

さらに事例について詳しく知りたい方は、以下ページを参照ください。

AWS公式事例ページ レバレジーズ、膨大なデータをもとにしたITエンジニア市場分析ページを2日で実装新規ウィンドウで開く

QuickSightの導入を検討している方は、TOKAIコミュニケーションズまでご連絡を

AWSの構築実績が豊富

TOKAIコミュニケーションズでは、10年以上のAWS構築実績に基づくノウハウを蓄積しています。当社ナレッジを活用し、それぞれのお客様のご要望に応じた、最適なAWS活用法をご提案しています。また、当社はAWS設計から構築・導入の実績を高く評価された結果、AWSより最高位パートナーの証である「AWS プレミアティアサービスパートナー」認定を取得。AWSからもお客様からも高い信頼を獲得しています。

QuickSight利用者向けに、「QuickSightスターターパック」を提供

もしQuickSightを検討しているなら、TOKAIコミュニケーションズの「QuickSightスターターパック」がおすすめです。本サービスでは、これからデータ分析を始めたいお客様に向けて、素早くデータ分析をスタートするために、AWSの設計・開発から環境構築、導入後サポートまでをワンストップで提供しています。「社内に蓄積されたデータ分析を始めたいが、どこから手をつければ良いか分からない」「費用面が心配」という方は、当社までお気軽にご相談ください。

Amazon QuickSightスターターパック | TOKAIコミュニケーションズ

まとめ

今回の記事でも紹介したように、近年さまざまな業界で市場動向や顧客行動分析などのデータ活用が行われており、大きな成果を上げています。データ分析によって、これまで見えてこなかった社内の課題や改善点が見つかり、業務効率化やコスト削減などにつながることも少なくありません。この機会に、QuickSightを上手に使い、社内に蓄積されたデータをフル活用してみてはいかがでしょうか。導入をご検討中の方は、ぜひ当社までご相談新規ウィンドウで開くください。

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