「Amazon QuickSightを試しに触ってみたいけど、何から手をつければいいかわからない...」
「Amazon QuickSightを触ってみたけどよくわからない」
もしあなたがAmazon QuickSight(以後、QuickSight)の初心者で、このように感じているなら、ぜひこの記事を読み進めてください。
この記事は、QuickSightを初めて操作するあなたと一緒に、最初のダッシュボードを完成させることをゴールとした、実践的な使い方ガイドです。専門的な知識は不要です。画像(スクリーンショット)に沿って一緒に手を動かせば、誰でも基本操作がマスターできます。
是非、QuickSightでデータ分析の第一歩を踏み出してみてください。
※資料ダウンロード
Amazon QuickSightスターターパック
目次
Amazon QuickSightとは?
ハンズオンを始める前に、QuickSightがどのようなサービスかを簡単におさらいしておきましょう。
QuickSightとは、一言でいうと「専門家でなくても、社内の様々なデータをグラフなどで分かりやすく"見える化"できる、AWSのクラウドサービス」です。
こうしたツールはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールと呼ばれ、データに基づいた迅速な意思決定を支援します。これまでExcelなどで時間と手間をかけて行っていたデータ集計やレポート作成を、誰でも簡単に行えるようにしてくれます。
この記事では、このQuickSightの基本的な使い方を、実際に手を動かしながら学んでいきます。
はじめに:ハンズオンの準備をしよう
作業を始める前に、以下の2つを準備してください。
- 1.
AWSアカウント
- 2.
サンプルデータ(CSVファイル)
QuickSightはAWSのサービスです。AWSアカウントをお持ちでない場合は、公式サイトから無料で作成できます。
プロが教えるAWSアカウント作成方法 ~ルートユーザアカウント作成編~ | TOKAIコミュニケーションズ AWSソリューション
今回のハンズオンで使用する簡単な売上データです。以下のテキストをコピーし、お使いのPCのメモ帳などに貼り付け、「sales_data.csv」という名前でデスクトップ等に保存してください。
日付,店舗,商品カテゴリ,売上
2025-08-01,東京,飲料,15000
2025-08-01,大阪,食品,22000
2025-08-01,名古屋,雑貨,8000
2025-08-02,東京,食品,25000
2025-08-02,大阪,雑貨,12000
2025-08-02,名古屋,飲料,9000
2025-08-03,東京,雑貨,18000
2025-08-03,大阪,飲料,16000
2025-08-03,名古屋,食品,28000
準備ができたら、いよいよQuickSightを操作していきましょう。
Amazon QuickSightの使い方 5ステップ
ここからは、QuickSightで最初のダッシュボードを作成するまでの手順を5つのステップで解説します。
Step 1:QuickSightへのサインアップ
まず、AWSにログインし、QuickSightを使えるように設定します。
- 1.
AWSマネジメントコンソール
にログインし、上部の検索窓に「QuickSight」と入力して、サービスを選択します。
- 2.
初めて利用する場合は、サインアップ画面が表示されます。「Sign up for QuickSight」をクリックします。
- 3.
エディションを選択します(最初はEnterprise Editionの無料トライアルがおすすめです)。
アカウント名や通知用のメールアドレスを設定し、アカウント作成を完了させます。
Step 2:データセットの作成(データのアップロード)
次に、先ほど用意したCSVファイルをQuickSightに読み込ませます。これを「データセットの作成」と呼びます。
- 1.
QuickSightの画面が開いたら、左メニューの「データセット」→ 右上の「新しいデータセット」をクリックします。
- 2.
データソースの一覧から「ファイルのアップロード」を選択します。
- 3.
ダイアログが表示されたら、先ほど保存した「sales_data.csv」ファイルを選択してアップロードします。
- 4.
設定を確認する画面が表示されます。データが正しく読み込めていることを確認し、右下の「次へ」をクリックします。
- 5.
最後に右上の「可視化する」をクリックします。これでデータセットの作成は完了です。
Step 3:「分析」画面へ移動
「可視化する」をクリックすると、自動的にグラフなどを作成するための「分析」画面に移動します。ここが、データを自由に調理していく作業場になります。
Step 4:ビジュアル(グラフ)の作成
いよいよデータを可視化します。今回は「店舗ごとの売上合計」を示す棒グラフを作ってみましょう。
- 1.
画面左下の「ビジュアルタイプ」から、「縦棒グラフ」のアイコンをクリックして選択します。
- 2.
画面左上の「フィールドリスト」に、CSVの項目(日付、店舗など)が表示されています。ここから、「店舗」を「X軸」のボックスに、「売上」を「値」のボックスに、それぞれドラッグ&ドロップします。
- 3.
すると、自動的に店舗ごとの売上が合計され、中央の画面に棒グラフが瞬時に表示されます。
Step 5:ダッシュボードとして公開・共有
作成したグラフを、他の人が見られる「ダッシュボード」として公開します。
- 1.
画面右上の「共有」ボタンをクリックし、表示されたメニューから「ダッシュボードを公開」を選択します。
- 2.
ダッシュボードに「店舗別売上レポート」などの名前を付けて、右下の「ダッシュボードを公開」ボタンをクリックします。
- 3.
これでダッシュボードが作成され、共有用のリンクが表示されます。このリンクを送ることで、他の人もこのレポートを閲覧できるようになります。
お疲れ様でした!これで、あなたの最初のQuickSightダッシュボードが完成しました。
【応用編】もっと見やすいダッシュボードを作る3つのコツ
基本操作をマスターしたら、もう少し便利な機能を使ってみましょう。
①フィルター機能で、深掘り分析を可能にする
分析画面の左側にある「フィルター」機能を使えば、例えば「商品カテゴリ」でデータを絞り込めるようになります。「飲料だけ」「食品だけ」の売上を見られるようにすることで、ダッシュボードがより対話的で便利なものになります。
②グラフのタイトルを分かりやすくする
各グラフのタイトルは自由に変更できます。「店舗別 売上合計(2025年8月)」のように、誰が見ても一目で内容がわかるタイトルを付けることを心がけましょう。
③複数のグラフを組み合わせて1枚のレポートにする
分析画面の左上にある「ビジュアルを追加」から、新しいグラフ(例:商品カテゴリ別の円グラフ)を追加できます。複数のグラフを組み合わせることで、より多角的な分析が可能な1枚のレポートが完成します。
まとめ
今回は、QuickSightの基本的な使い方として、CSVファイルをアップロードし、最初のダッシュボードを作成するまでの一連の流れを解説しました。この基本操作をマスターすれば、あとは様々なデータソースに接続したり、より複雑なグラフを作成したりと、応用の幅が広がっていきます。
ぜひ、次のステップに進んでみましょう。
- Amazon S3やデータベースなど、他のデータソースに接続してみる
- 計算フィールドを作成して、独自の指標(例:客単価)を追加してみる
- 今回紹介した応用編の機能を実際に試してみる
「基本操作はわかったけど、自社の複雑なデータでどう活用すれば良いかわからない」
「もっと体系的に、効果的なダッシュボードの作り方を学びたい」
もし、このようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ私たちTOKAIコミュニケーションズにご相談ください。
※資料ダウンロード
Amazon QuickSightスターターパック
関連サービス
おすすめ記事
-
2024.05.14
Amazon QuickSight活用事例3選|さまざまな業界で広がるAmazon QuickSightを活用したデータ分析
-
2023.09.28
Amazon QuickSight入門|活用事例やダッシュボード作成時のポイントを紹介!
-
2023.08.21
Snowflakeでデータ分析がどう変わる? Snowflakeを利用するメリットやAmazon Redshiftとの違いを解説!
-
2022.12.07
AWSで実現するデータ分析|AWSが提供しているデータレイク・データウェアハウスツールの活用法
-
2022.12.06
AWSで実現するデータ分析|そもそもデータ分析基盤とは?