最近では、中小企業の間でもクラウド利用が進んでいます。「人手不足だからクラウド利用は難しい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。実は人手不足の中小企業こそ、クラウド移行・利用によって得られるメリットは大きいものです。
そこで今回は、中小企業のクラウド利用事情と、クラウド導入を進めるべき理由を解説します。
【この記事で分かること】
- 中小企業のクラウド利用率
- 人手不足の中小企業こそクラウドを導入すべき理由
- クラウド化のメリットと、導入時に直面する課題(リソース不足)
- 中小企業がクラウド化を進める具体的な導入ステップ
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目次
国内中小企業のクラウド利用状況
はじめに、公的機関が公表しているデータをもとに、国内の中小企業クラウド利用状況を見ていきます。
どれくらいの中小企業がクラウドを利用している?
まず、国内の中小企業の立ち位置を確認しておきましょう。中小企業庁が公表しているデータ によれば、2021年時点で日本における中小企業の割合は全企業の99.7%を占めています。日本の企業のほとんどは中小企業で、大企業と呼ばれる企業はごくわずかに過ぎません。なお、中小企業の定義は中小企業基本法で定められており、業種によって異なります。具体的にいうと、製造業の場合は資本金3億円以下または従業員数が300人以下、小売業の場合は資本金5千万円以下または従業員数50人以下などです。

- ※1上記の中小企業・小規模事業者の区分には、中小企業基本法以外の中小企業関連法令において、中小企業または小規模企業として扱われる企業が反映されております。
- ※2今回公表する企業数は、2021年6月時点のものです。
- (引用)中小企業庁 白書・統計情報(中小企業の企業数・事業所数) 集計結果の概要
この「日本の大多数」である中小企業において、クラウド利用はどの程度進んでいるのでしょうか。
総務省の『令和6年版情報通信白書 』によれば、クラウドサービスを「一部でも利用している」と回答した企業(※常用雇用者規模100人以上の企業)の割合は80.6%に達しています。

この数値は、同調査の令和5年時点での77.7%から着実に増加しており、企業規模(※)を問わずクラウド利用が一般化していることが明確にわかります。
(※調査対象は常用雇用者規模100人以上の企業)
国内企業でクラウド利用が広がる背景
なぜ今、これほどまでにクラウド利用が広がっているのでしょうか。その背景には、大きく分けて2つの要因があります。
働き方の変化
新型コロナウイルスの感染拡大を経て、テレワークやハイブリッドワークといった柔軟な働き方が定着しました。オフィス外からでも安全かつ効率的に業務データやアプリケーションにアクセスする必要性が高まったことが、クラウド導入の大きな推進力となりました。
DXの推進(2025年の崖問題)
多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む中、その基盤としてクラウドが不可欠となっています。
特に、経済産業省が警鐘を鳴らした「2025年の崖」問題(老朽化した既存システムが足かせとなり、国際競争力を失うリスク)にまさに直面している今、レガシーシステムから脱却し、最新技術を活用しやすいクラウド環境へ移行する動きが加速しています。
中小企業がクラウドを利用するメリット・デメリット
クラウド利用には、特にリソースが限られがちな中小企業にとって大きなメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。
中小企業がクラウドを利用するメリット
- 1.
初期コストの削減
自社で高価なサーバーやネットワーク機器を購入・保有する必要(オンプレミス)がなく、初期投資を大幅に抑えられます。 - 2.
運用・管理負担の軽減
機器の保守、OSのアップデート、セキュリティパッチの適用といった面倒な運用・管理業務をクラウド事業者に任せられるため、情報システム担当者の負担を大幅に削減できます。 - 3.
導入スピードの速さ
物理的な機器の納期や設定を待つ必要がなく、必要なサービスをWebから申し込むだけですぐに利用を開始できます。 - 4.
柔軟なリソース変更
事業の成長や繁忙期に合わせて、CPUやメモリ、ストレージ容量などを簡単・迅速に増減できます。 - 5.
高い可用性とBCP対策
データは堅牢なデータセンターで管理され、多くの場合自動的にバックアップされます。災害時や障害発生時でも業務を継続しやすいBCP(事業継続計画)対策としても有効です。
中小企業がクラウドを利用するデメリット
- 1.
カスタマイズ性の限界
特にSaaSやPaaSの場合、オンプレミスに比べてOSやソフトウェアの自由度が低く、既存の社内システムとの連携が難しい場合があります。 - 2.
クラウド特有の専門知識
AWSなどのIaaS/PaaSを使いこなすには、ITインフラの知識に加え、各クラウドサービス特有の専門知識が求められます。
中小企業はどこからクラウド化すべきか? おすすめの導入ステップ
「メリットは分かったが、何から手をつければいいか分からない」という方も多いでしょう。中小企業がクラウド化を進める上でおすすめの、現実的なステップをご紹介します。
ステップ1:SaaS(ソフトウェア)の利用
最も簡単で導入効果を実感しやすいのがSaaSの利用です。
- 例: メール、カレンダー、チャット(Microsoft 365, Google Workspace)、会計・労務ソフト(freee, マネーフォワード)、営業支援(Salesforce)など。
- 特徴: インストール不要で即時利用でき、運用管理の負担がほぼゼロになります。まずはこうした業務アプリケーションの置き換えから始めるのがおすすめです。
ステップ2:IaaS/PaaS(インフラ)への移行
次に検討するのが、既存の社内サーバーのクラウド移行です。
- 例: 社内のファイルサーバーのクラウド化、オンプレミスで稼働している基幹系サーバーのAWSへの移行(リフト&シフト)。
- 特徴: サーバー機器の老朽化によるリプレイスのタイミングでクラウドに移行(リフト)すれば、ハードウェアの保守運用から解放されます。
ステップ3:PaaS/IaaS(DX)の推進
クラウドの本格活用フェーズです。
- 例: 新規サービスの開発基盤、データ分析基盤(DWH)の構築、IoT基盤の構築など。
- 特徴: ステップ2までと異なり、守りのIT(コスト削減・効率化)ではなく、攻めのIT(売上創出・DX推進)のための活用です。この段階になると、クラウドの専門知識がより深く求められます。
中小企業がクラウド化に際して直面している課題
上記のステップ、特にステップ2や3に進もうとする際に、多くの中小企業が直面する課題があります。それが「社内のリソース不足(人材不足)」です。
「クラウドのメリットは分かるが、導入を推進できるIT人材がいない」「情報システム部門が、日々の運用保守(PCのキッティングや問い合わせ対応)に追われ、クラウド移行のような新規プロジェクトに着手できない」のようにIT化・デジタル化の課題として「IT人材の不足」を挙げる企業が多くいます。
この「リソース不足」こそが、クラウド化によるメリット(運用負担の軽減)を享受したいにもかかわらず、その導入(移行プロジェクト)を実行できない、というジレンマを生んでいるのです。
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なお、導入事例については以下のページで紹介していますので、詳しく知りたい方はご参照ください。
まとめ
今後は中小企業の間でもクラウド利用がさらに進んでいくものと思われます。課題を抱えたシステムを運用している中小企業ほど、クラウドを導入したことによって得られるメリットは大きいものです。人手不足や社内のリソース不足で、クラウド導入をお悩みの方は、ぜひ当社までご相談 ください。
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