2023.12.28

展示物解説アプリをiPhoneとiBeaconで作ってみた -AWS LambdaとBLEで作るサーバーレスな接近検知アプリ-

今やスマートフォンは持っていることが当たり前となり、多くの企業で業務利用されています。
この記事では、活用例のひとつとしてスマートフォンで利用できる展示物解説アプリをデモ動画付きで解説していきます。

活用例の紹介

今回の記事では、サーバーレスの活用例としてAWS LambdaとBluetooth Low Energy (以下、BLE)を組み合わせたモバイルアプリをご紹介します。

美術館の展示物解説アプリ

今回作成した展示物解説用のアプリは、展示品の近くへ行くとスマートフォン端末に解説が表示される仕組みで、美術館以外では展示会や店舗の商品解説等にも応用可能です。 まずは、デモ動画をご覧ください。

絵画に近づくと解説がスマートフォンに表示される
絵画に近づくと解説がスマートフォンに表示される

上記のように展示物ごとに正確な解説が表示されるのは、Beaconの信号が各端末の個別信号を識別しているためです。

システム構成図

構成図

端末からのリクエストをAmazon API Gatewayが受信し、AWS Lambdaを起動します。
起動されたLambda関数により、Amazon DynamoDBがAmazon S3内の画像ファイルを読み出して取得します。

具体的な要件次第にはなりますが、構成図と同様にシンプルかつ簡潔な構成での環境構築が可能です。

Beaconの概要と活用例

上記で挙げたBeaconとはBLE(*)を活用した近距離無線技術であり、その中でiBeaconはApple社が商標を持つ独自の規格を指します。 Beacon発信機から発する信号をスマートフォン等のデバイスが受信します。 これにより、ユーザーのスマートフォンに対して情報を発信することが可能となります。 Beaconは小売業界では頻繁に利用されます。例えば、ユーザーが店舗に近づくと、現在実施されている最新イベント情報をユーザーに届けることができます(店舗専用アプリをダウンロードしていることが前提です)。

*BLEは無線通信方式の1つです。 通信範囲が数百メートル程度までと比較的短距離ではありますが、省電力でスマートフォン等のスマートデバイスとの通信が可能なため、モバイルアプリとの組み合わせで利便性の高い方式となっています。

AWS Lambdaの概要と活用例

システム構成で欠かせないAWS Lambdaはサーバーレスのコンピューティングサービスです。
サーバーレスとはシステムを運用する上で、サーバーのプロビジョニングや管理の必要がない仕組みです。
メリットとしてはサーバーの準備や管理の負担がなく、プログラミング言語も多数対応しているためさまざまなタイプのアプリケーション等のプラグラムコードを実行でき、効率的に運用を行えます。

AWS Lambdaの詳細は下記記事にて紹介しておりますので、参考にしてみてください。

AWS活用法 | サーバを立てずにプログラムを実行できる「AWS Lambda」とは?

以下記事では、サーバーレスの概要、メリットや事例などを理解できます。

AWS活用法 | AWSで実現するサーバーレスとは? 向き不向き、導入の成功ポイントを解説

AWS導入事例 | サーバーレスアーキテクチャを導入し Webアプリケーションの利便性向上と運用負荷の軽減を実現

なぜサーバーレス?

TOKAIコミュニケーションズでは長年SI事業を展開しており、お客様と直接お話しながらシステム構築することを得意としています。 サーバーレスアーキテクチャーを使うことでサーバー構築無しでアプリケーションの作成が可能なため、業務ロジックの検討と開発に重点を置き、お客様のご要件に柔軟に対応します。

興味がある方は、ぜひ当社までご相談新規ウィンドウで開くください。

(寄稿:髙安 洋平 / 監修:高谷 英雄)

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