2023.07.20

AWS CDKとは? CloudFormationとの違いやメリット・注意点を解説!

AWS上でリソースを構築する際に便利な「AWS CloudFormation(クラウドフォーメーション)」。しかし、CloudFormationを利用するには特殊な記述方法を求められるため、導入ハードルが高く手がつけにくいものです。そこでおすすめしたいのが、「AWS Cloud Development Kit(クラウドデベロップキット)」です。(以降、AWS CDK)を活用すれば、より効率的にリソース構築ができるようになります。今回の記事では、開発者にとっても経営者にとってもメリットをもたらす、AWS CDKの特徴や利用時の注意点をお伝えします。

AWS CDKとは

まず、AWS CDKに関する基礎知識から説明していきます。

AWS CDKとは?なぜAWS CDKが必要?

AWS CDKとは、主要なプログラミング言語を使用してAWS上のリソースを定義できるツールです。AWSによる環境開発には、ストレージ・データベース・ネットワーキングなど、さまざまなリソースの構築が必要です。ただ、AWSマネジメントコンソールやAWS CLI(コマンドラインインターフェイス)を使用してリソースを構築しようとすると、コードの記述量が多くなるため複雑さが増し、リソースの作成や変更に時間がかかります。また、手作業に依存すると同じ環境を再現するたびにミスが発生しやすく、生産性も低下してしまいます。

そこで、AWS CloudFormationが利用されているのです。しかし、AWS CloudFormationを運用するには、JSONやYAML形式での記述が必要であり、これらの特殊な文法には一定の専門知識が必要です。そのため、AWS初心者やデータ記述言語に不慣れな開発者にとっては、敷居が高いと言わざるをえません。そこでおすすめしたいのが、AWS CDKです。AWS CDKなら、使い慣れたプログラミング言語を使ってAWS CloudFormationと同等の自動リソース構築と管理が可能になります。これによってリソース構築の品質向上や開発者の負担軽減、開発プロセスのスピードアップが見込めます。これらの理由から、AWS CDKが重宝されているのです。

AWS CDKの料金

AWS CDK自体の利用には、AWS CloudFormationと同様に追加料金はかかりません。ただし、AWS CDKを使用してAWSリソース(例: EC2インスタンスやElastic Load Balancingなど)を立ち上げた場合には、手動で立ち上げた場合と同様の料金が発生します。料金は実際の使用量に応じた従量制であり、最低料金や前払いのような制約はありません。またAWS CDKを介して作成されたAWSリソースの料金は、随時AWSコンソールで確認も可能です。このようにAWS CDKの利用により追加の費用は発生せず、従量制の料金体系が採用されています。利用者は実際に利用した分のみを支払い、料金の把握もAWSコンソールを通じて容易に行えます。

AWS CDKを利用するメリット

続いて、AWS CDKの主なメリットを3点紹介します。

慣れたプログラミング言語でリソースの構築ができる

AWS CloudFormationを利用する場合、AWSのリソースをJSONやYAML形式のテンプレートに記述して読み込ませる必要があります。ただし、この記述方法はAWS CloudFormation特有のものであり運用前に学ぶ必要があります。そのため、記述方法に関する知識がない場合、リソースの構築や管理が困難になるケースもあります。

AWS CDKを活用すれば、プログラミング言語を使ったリソースの構築が可能となります。AWS CDKは、「JavaScript, TypeScript, Python, Java, C#, .NET」などの主要なプログラミング言語に対応しており、多くの開発者は習得済みのプログラミング言語を活用しながら、新たにデータ記述言語を学ぶ必要がなく、簡単にAWSのリソース構築に取り組めます。また、プログラミング言語による記述が可能になるため、Webサイトのアクセス数に応じてサーバーの台数を動的に変更したり、ユーザーのログイン状況に応じて表示するコンテンツを変更したり、パラメータの変更を通じてシステムを立ち上げるなどの柔軟な対応も可能になります。

AWS CloudFormationとの連携や、CLI、IDEとの連携もできる

AWS CloudFormationとの連携により、同じシステムを複数の環境で簡単に再現したり、テンプレートのバージョン管理やスタックの状態を監視したり、AWSリソースの構成の確認や、操作の履歴をAWS CloudTrailを介して追跡すると言ったことも可能です。AWS CDKとCloudFormationを組み合わせることで、高い再現性、一貫性、可視性を保ちつつ、複雑なインフラストラクチャを自動的に構築できるのです。また、AWS CLIとの連携により、コマンドラインからテンプレートの合成やリモートでのコードデプロイ、実行中のスタックとの比較など、さまざまな操作も可能です。さらに、AWS IDE(統合開発環境)との連携により、現在お使いのIDE上でアプリケーションの構築が可能となります。これにより、慣れ親しんだコードベースでインフラストラクチャを管理し、変更が必要な場合でもコードの修正のみで対応できるため、効率化や時間の節約につながります。

公式のワークショップが用意されていて、実践形式で学習できる

AWSでは、無料のチュートリアルサイト「AWS CDK Workshop(ワークショップ)」が提供されています。ワークショップを通じて、実際に手を動かしながらAWS CDKを使用してAWSリソースを構築するプロセスを体験できるため、学習のハードルが低くなっています。このワークショップでは、AWS CDKアプリケーションの新規作成やAWS環境へのアプリケーションのデプロイ、独自の再利用可能なコンストラクトの定義など、さまざまな実践で役立つスキルを習得できます。

AWS CDKを利用する際の注意点

最後に、AWS CDKを利用する上での注意点を3つ紹介します。

一定の学習コストがかかる

AWS CDKを活用するには、利用するプログラミング言語(JavaScript, TypeScript, Python, Java, C#, .NET)についての基本的な知識が必要です。プログラミングの経験がある方であれば、操作方法についてある程度の直感的な理解が得られるでしょう。しかし、これまでプログラミングに触れたことがない方や、十分な知識を持っていない方がAWS CDKをすぐに使いこなすのは難しいといえます。また、AWSに関する基礎知識(サービス・API・セキュリティなど)も一定のレベルが求められるため、必要に応じて情報のキャッチアップが必要です。

対応していないサービスも

AWS CDKは多くのサービスに対応していますが、すべてのサービスに完全に対応しているわけではありません。AWS CDKが対応していないサービスを利用しなければならないときは、手動でリソースの構築を行う必要があります。なお、AWS CDKは定期的に新しいサービスに対応しており、対応範囲が拡大していますので、随時公式Webサイトなどを確認してみてください。

条件が増えるほどコードが複雑になる

AWS CDKはプログラミング言語を利用するため、動的なインフラの構築に特定の条件を設定できる利点があります。例えば、アプリケーションの負荷状況に応じて、EC2インスタンスの数を増減させるといった運用も可能です。ただし条件が複雑になるとコードも複雑になり、可読性が低下する可能性があります。コードが複雑化しすぎると開発者以外の人が理解できなくなり、特定の開発者への依存性が高くなるというリスクも生じます。円滑にAWSリソースを構築・運用・管理するためには、実装コードのレビューができる一定レベルの専門知識を持った人材が求められる、ということを理解しておきましょう。

まとめ

AWS CDKを利用しますと、慣れ親しんだプログラミング言語でAWSリソースを簡単に構築できます。AWSインフラストラクチャの構築時に生じる複雑性や手間を軽減し、スムーズで簡単な構築をサポートしてくれる便利なサービスといえるでしょう。ただし、AWS CDKにはまだ対応していないサービスもあるほか、条件によってコードが複雑化するリスクもありますので、運用者はリスクに対処するための適切な対応が必要です。AWS CDKの特性を理解した上で効果的な活用を実践してみてください。

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