2022.10.17

DXが推進される今が移行時? 企業が成長するためのクラウド導入のすすめ

最近では、「DX」という言葉を至るところで耳にします。多くの企業でDXの実現に向けた施策を打ち出す中、クラウド導入を検討する企業も増えています。このため、DXを実現するうえで、クラウド導入は欠かせない要素の一つと言えるでしょう。
今回の記事では、DXが推進される背景を説明するとともにクラウドの基礎知識を解説し、なぜ企業が成長するためにクラウド導入が必要かについてご説明します。

DXが推進される背景

そもそもDXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称です。日本では、経済産業省が主体となってDXの推進に取り組んでおり、『デジタルガバナンス・コード2.0』で、DXを以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

一言でいえばDXとは、最新のデジタル技術を活用した業務改革のことです。

経済産業省は、2018年に『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』(こちらは現在、上記で紹介したデジタルガバナンス・コード2.0に統一されています)を策定・公表しました。同ガイドラインでは、DXの重要性を説くともに、経営やシステム構築などの観点から、DXを実現するために重要なポイントを紹介しています。

経済産業省がDXを推進する背景には、「2025年の崖」と呼ばれる問題があります。
これは、2025年までにIT人材不足の加速や大手基幹システムのサポート終了などが起こり、多大な損失を被る可能性があるという問題提起です。2025年までにこれらの課題を解消できない場合、年間で最大12兆円の経済損失が生じると予測されています。この問題を解決するために、DXを推進しようとしているのです。
既存システムが老朽化し、導入後にさまざまなカスタマイズが加えられたことで、システムがブラックボックス化してしまっている企業も多いのではないでしょうか。そのせいで、保守・運用に莫大なコストがかかり、最先端の技術を活用するための人材を確保できない、という問題に直面している企業も少なくないはずです。このまま時代遅れのシステムを使い続ければ、新規顧客の開拓やサービスの開発にコストが回せなくなり、損失は増え続けるばかりです。これらの問題を解消するためにも、DXの実現は多くの企業にとって急務となっています。

また、DX推進の動きをさらに加速させているのが、コロナ禍です。消費者が外出を控えるようになったことで、オンラインショッピングなどのインターネット上での販売・広告の重要性が高まっています。加えて、リモートワークの需要も高まっており、企業システムもその対応に迫られています。
この機会にDXを実現しようとしている企業は多いのではないでしょうか。

クラウドとDX

DXの実現にはクラウド導入を

ここまで、DX推進の背景を説明してきました。ここからは、DXとクラウドについて説明していきます。DXを実現するためには、クラウドの導入が欠かせません。
現状多くの企業で問題視されているのが、既存のレガシーシステムです。システムを刷新するにあたり、クラウドならオンプレミスよりもスムーズに新システムの構築を進めることが可能です。オンプレミスのように機器を調達する必要がないため、初期コストがほとんどかからないうえ、ネット上の手続きだけで利用を開始できます。また、リモートワークへの対応も、クラウドなら比較的簡単に行うことができます。
このような理由から、多くの企業がDXを実現するに際してクラウド導入を進めています。

クラウドのサービス形態

一口にクラウドと言っても、提供されるサービスはさまざまです。クラウド導入を検討する際は、サービスの特性を理解したうえで選定する必要があります。ここからは、クラウドのサービス形態を4つ紹介します。

SaaS(Software as a Service)

文字通りソフトウェアやアプリケーションを提供する形態です。ユーザーは、ネットワークを通じてソフトウェアを利用できます。SaaSでは、ミドルウェアやネットワークの設定といった環境周りの管理を、クラウド事業者が行います。ユーザーはソフトウェア内の設定をするだけですぐに利用できるうえ、管理コストもほとんどかかりません。一方で、クラウド事業者任せの部分については利用者側での変更ができないため、自由度が低いという側面があるのも事実です。

SaaSの例として、Googleが提供している「Gmail」「Googleドライブ」「Googleドキュメント」といったサービスがSaaSにあたります。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは、ソフトウェアだけではなく開発に必要なミドルウェアやサーバーOSを提供する形態で、主にアプリケーション開発において利用されています。次で解説するIaaSに比べると自由度は低いものの、ミドルウェアまでが提供されるため、自前で開発環境を一から用意する手間がかからないというメリットがあります。

PaaSのサービスとしては、「AWS Lambda」「Azure App Service」などが挙げられます。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは、仮想サーバーやミドルウェア、ネットワークといったサービスの基盤となるインフラを提供する形態です。自由度が高い分、どのような構成を組むのが望ましいのか考えなければならないため、インフラ周りの専門的な知識が求められます。

IaaSのサービスとしては、「Amazon EC2」「Azure Virtual Machines」などが挙げられます。

DaaS(Desktop as a Service)

DaaSは、インターネットを通じて仮想デスクトップを提供する形態です。VDI(Virtual Desktop Infrastructure)と混同されることもありますが、自社のサーバー内に仮想デスクトップを構築するのがVDIです。対してDaaSでは、クラウド上に仮想デスクトップを構築しており、OSのアップデートなどの保守はクラウド事業者が行います。VDIに比べて自由度は低いものの、管理コストを抑えられるというメリットがあります。

DaaSのサービスとしては、「Amazon WorkSpaces」「Azure Virtual Desktop」などが有名です。

なぜ多くの企業がAWSを選んでいるのか

ここまで説明してきた通り、DXが推進されている今、クラウド導入の動きが加速しています。現代では、クラウドサービスを提供する事業者も増え、サービスは多様化していますが、そんな中でも圧倒的なシェア率を誇るのが「AWS(Amazon Web Services)」です。
ここからは、クラウド導入に際してなぜAWSが多くの企業で選ばれているのかを解説していきます。

豊富なサービス

まず挙げられるのが、サービスの豊富さです。AWSのサービス数は200以上にものぼります。ITインフラ全般をカバーするような幅広い形態のサービスを展開しており、ユーザーのさまざまなニーズに応えられるラインアップとなっています。さらにサービスは頻繁に更新され、新たなサービスが今も追加され続けています。このように多種多様なサービスを、クラウドならではの気軽さで簡単に利用できる点が、人気を集めている理由の一つと言えるでしょう。

低価格

続いて挙げられるのが、価格の安さです。AWSのサービスは基本的に全て初期費用がかかりません。また、インフラの運用・保守をAWSが担当するため管理費を抑えられるうえ、定期的なリプレイスなどの費用がかかることもありません。ここまでは一般的なクラウドのメリットですが、それに加えてAWSでは、積極的に値下げを行っていることでも知られています。AWSはサービス開始以来、規模の拡大に伴うスケールメリットを最大化し、サーバーの調達や維持にかかるコストの大幅削減を実現しています。
AWSの公式ウェブサイトによると、2021年11月時点で109回以上の値下げを実施しているとのことで、ユーザーが恩恵を受けられる仕組みが構築されているのがわかります。

堅牢なセキュリティ

クラウドのセキュリティを不安視する声は依然として聞こえてきます。しかし、AWSはセキュリティ対策に大きな力を入れており、堅牢なセキュリティを実現しています。その証拠に、ISOなどをはじめとしたさまざまな第三者機関の認証を取得しており、グローバルレベルで高いセキュリティが担保されていることがわかります。
ただ、AWSは「責任共有モデル」を採用しており、セキュリティ対策は全てAWS任せとはならないことも理解しておく必要があります。AWSが責任を持っているのは、あくまでクラウド環境に対してであり、クラウド内で構築されるサーバのOSやソフトウェア、データ、ネットワークの安全性については利用者が責任を負うことになります。それでも、ITインフラ周りのセキュリティを担保してくれるのは、非常に心強いと言えるでしょう。
なお、AWSの責任共有モデルについては、過去に解説した記事を公開していますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。

参考記事
AWSに必要なセキュリティ対策とは? AWSの責任共有モデルの解説

まとめ

DXの推進により、クラウド導入の流れはさらに加速しています。近年では、クラウドサービスも多様化し、さまざまなニーズに応じたサービスが展開されています。DXの第一歩として、クラウド導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
なお、TOKAIコミュニケーションズでは、既存システムからのAWSへの移行をサポートする「AWS導入サポート 新規ウィンドウで開く」サービスを提供しています。AWS アドバンストティアサービスパートナーに認定されている当社が、要件定義からシステム構築、運用のフェーズまでサポートいたします。クラウド導入を検討されている方は、お気軽にご相談 新規ウィンドウで開くください。

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