2022.03.28

AWSの構築・運用を業務委託する費用相場やメリット・デメリットなどを解説

AWSの構築や運用の業務委託を検討する場合、まず気になるのが費用面です。本記事では、AWSの構築や運用を業務委託する場合の委託内容と費用相場について解説するとともに、業務委託のメリット・デメリットについてもご紹介します。

  • 本記事の「構築」は「環境構築」と同義です。

AWSの業務委託とは?

AWSの業務委託を検討する場合、構築・運用の両方またはいずれかの業務委託を検討するのが一般的です。また、構築・運用において、どのような作業を業務委託するのか、あるいは現行システムの構成によっても費用は大きく異なります。
まずは、AWSの構築・運用の2つを軸にして、業務委託した場合に受けられる主なサービス内容と費用相場を確認していきましょう。

なお、細かなサービス内容は業務委託先の対応範囲や、発注時の要件などによっても異なりますので、ここでは一般的なサービス内容を挙げています。

(構築の場合)業務委託のサービス内容と費用相場

以下は、AWSの環境構築を業務委託した場合に受けられるサービスの例となります。

サービス内容
ヒアリング・提案 現行システムの課題などについてヒアリング
課題解決のための要件を提案
要件定義書の作成 お客様承認後の要件をもとに、要件定義書を作成
設計書の作成 お客様承認後の要件定義書をもとに、設計書を作成
事前検証・負荷検証 環境構築前に事前検証や負荷検証を実施
環境構築 事前検証・負荷検証の結果を踏まえ、設計書に基づいた環境を構築
試験報告書の提出 環境構築後のテストを実施し、試験報告書を提出
システム移行サポート 現行システムからAWSへのシステム移行代行、
もしくは、移行作業の一部支援

AWSの環境構築を業務委託する場合、現行システムのシステム構成によって費用は大きく異なります。以下が、現行システムからAWSへのシステム移行を含めた、一般的なシステム構成ごとの費用相場となります。

環境 システム構成 構成例 費用相場
検証環境
(Webサーバの構築を想定)
シングル構成 Amazon EC2 1台
Amazon RDS 1台
Amazon Route 53
20~30万円
本番環境
(冗長構成化され、セキュリティが強化されたWebサーバの構築を想定)
高可用性・セキュリティ構成 Amazon EC2 2台
Amazon RDS 2台
Amazon Route 53
AWS WAF 1台
AWS Certificate Manager
Amazon Cloud Front
Elastic Load Balancer 1台
50~60万円
大規模アクセス環境
(冗長構成化され、セキュリティが強化された上で、拡張性も高めたWebサーバの構築を想定)
拡張性・高可用性・セキュリティ構成 Amazon EC2 2台
Amazon RDS 2台
Amazon Elastic File System 1台
Amazon ElastiCache 1台
Amazon Route 53
AWS WAF 1台
AWS Certificate Manager
Amazon Cloud Front
Elastic Load Balancer 1台
70万円~
  • AWS利用料金は上記費用に含まれません。

(運用の場合)業務委託のサービス内容と費用相場

以下は、AWSの運用を業務委託した場合に受けられるサービスの例となります。

サービス内容
監視 専用監視サーバを利用した24時間365日体制での監視・分析(課題管理)
および月次報告やコスト最適化などの提案
通知 必要に応じて運用状況などのさまざまな情報をメールなどで通知
自動復旧 障害発生時などに、自動復旧スクリプトによる再起動を実施
障害一次対応 障害を検知した場合、サービスの再起動など一次対応を実施した結果を報告
運用代行 システムのセキュリティ更新や設定変更などを実施
業務委託元からの問い合わせ・調査依頼などにも対応
技術サポート AWSサポートと連携した技術サポート
その他、セキュリティ対応・コスト最適化などの技術支援

AWSの運用代行の費用相場は、どの範囲までサービスを受けるかによっても異なりますが、一般的には初期費用・月額費用ともに数万円程度です。
またほとんどのサービスが、24時間365日の監視体制となり、アカウントSEなどと呼ばれる担当者が配属されます。

AWSの構築・運用を業務委託するメリット3点

次はAWSの構築・運用を業務委託するメリットをご紹介します。主には、以下3点がメリットとして挙げられます。

メリット1:最新の知識・技術が不要

AWSの構築・運用には専門的な知識や技術が不可欠です。新しいサービスが次々と提供されるため、常に最新情報をキャッチアップしていかなければ、AWS環境の最適化や運用は難しくなります。しかし、業務委託によって、前述の知識・技術を自社で習得する必要がなくなります。

メリット2:構築・運用コストの軽減

AWSの構築・運用ともに業務委託する場合でも一定の費用はかかりますが、自社の人材で対応するよりもコストは大幅に軽減できるでしょう。構築に必要なエキスパートの人材獲得や育成、運用面での24時間365日監視を自社のみで実現しようとした場合、膨大なコストが必要となります。

メリット3:自社リソースを本業に集中

業務委託によって、AWSに関わる自社の作業は大幅に削減されるでしょう。それによって自社リソースを本業に集中させることができ、生産性の向上も期待できるでしょう。慣れないAWSの作業は自社で行うよりも、AWSの知識が豊富な業務委託先へ委託したほうが、圧倒的にパフォーマンスは高くなります。

AWSの構築・運用を業務委託するデメリット3点

多くのメリットがあるAWSの構築・運用の業務委託ですが、その一方で以下のようなデメリットも存在することは事実です。
これらのデメリットも踏まえて、業務委託を検討することをおすすめします。

デメリット1:AWSに関するノウハウを社内に蓄積できない

AWSの構築・運用にAWS知識が不要な点はメリットですが、一方でAWSに関するノウハウを自社に蓄積できない点はデメリットといえます。
将来的に自社で運用・管理をしていきたい場合は、少しずつでも自社リソースを確保し、ノウハウを社内に蓄積する計画を立てることをオススメします。

デメリット2:迅速な対応が期待できないケースもある

業務委託先はできる限り迅速な対応を行いますが、ケースによっては、迅速な対応が期待できないことが考えられます。
たとえば、技術サポートなどの人的な対応が業務委託先の営業時間内のみとなる場合、自社が求める時間内の対応よりも遅くなります。
緊急時のサポート対応については、業務委託先と協議しておくことをオススメします。

デメリット3:セキュリティに注意が必要

AWSに限った話ではないですが、業務委託では情報漏えいなどのセキュリティインシデントのリスクが存在することもデメリットです。

AWSの業務委託先を選定ポイント3点

ご紹介してきたメリット・デメリットを踏まえ、業務委託先を検討することで、後の期待外れやトラブルを防ぐことにも繋がります。
最後に、AWSの業務委託先を選定するポイントをご紹介します。

ポイント1:業務の総コスト・対応時間を比較

サービスの対応範囲に加え、サービス内容に対する総コストと業務委託先の対応時間を比較しましょう。
業務委託コストが低くても、委託したい作業が抜けている場合、かえって自社の負担が大きくなる可能性があります。また、業務委託先によって対応時間(営業日)は異なるため、比較対象に含めることをおすすめします。

ポイント2:技術力を確認

AWSの構築・運用の実績数に加えて、自社の業種・業態や業務委託内容に近い事例があるかを確認しましょう。
仮に実績が多くても、自社の業種・業態での経験が少ないと、細かな点でコミュニケーションロスなどが発生する可能性があります。

ポイント3:情報の取り扱いポリシーを確認

セキュリティレベルの高さや、機密情報の取り扱いに関するポリシーを確認し、より安全性の高い業務委託先を見つけることが重要です。
将来のセキュリティインシデントの発生を防ぐために、重要な比較ポイントとなります。

AWSの業務委託なら当社もご検討を

AWSの構築・運用を業務委託することによって、費用面をはじめ多くのメリットを見いだせることがお分かりいただけたでしょうか。また、デメリットをカバーできる業務委託先を選ぶことも重要です。

私たちTOKAIコミュニケーションズは、AWSパートナーとして多数のAWS導入・運用実績に裏打ちされた技術・ノウハウを有しています。また、AWS上のシステムの設計・構築から、接続回線、サーバ監視・運用までをワンストップで提供することも可能です。
もちろん、機密情報の取り扱いにつきましても、万全を期して取り組んでおります。こちらの詳細につきましては当社の「情報セキュリティ基本方針 新規ウィンドウで開く」をご覧ください。

AWSの構築は「AWS導入サポート」、運用代行は「AWS運用管理」をご用意しております。さらに、AWSのノウハウを蓄積して将来は自社内での運用を計画している企業様には、「内製化支援サービス」もご用意しております。
AWSの業務委託をご検討中であれば、ぜひお気軽にご相談 新規ウィンドウで開くください。

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