2023.06.15

AWS導入時はPoCを実施しよう! PoCを行うメリットと注意点を紹介

新たなシステムやサービスを導入する際は、いきなり運用を始めてもうまくいかないことがほとんどです。AWS導入においても事前検証は極めて重要で、導入の成功率を高めるために知っておきたいのが、PoCです。そこで今回の記事では、AWS導入時にPoCを実施することの重要性について解説していきます。

PoCとは?

まず、PoCの定義から確認していきましょう。

そもそもPoCとは?

PoCとは、「Proof of concept(プルーフオブコンセプト)」の略称で、新しいアイデアや理論を実証するための検証を指す言葉です。日本語では「概念実証」などと呼ばれています。もともとは製薬業界などでよく採用されていた手法ですが、最近ではIT業界においてもPoCを実施する企業が増えています。PoCでは、実際にそのアイデアが実現可能かを検証するほか、ビジネスとして採算が立つのかなどの確認も行います。

プロトタイプ、実証実験との違い

似た概念としてよく比較されるのが、プロトタイプと実証実験です。ここからは、両者とPoCとの違いを紹介します。

プロトタイプはいわゆる試作品のことで、ある程度アイデアの方向性が固まった段階で作るものです。PoCはその前段階の新しいアイデアに実現性があるのかを検証するものであり、PoCで問題ないと判断された場合にプロトタイプを作るという流れになります。また、実証実験は問題点を検証する際に用いられることが多い言葉で、一方PoCはそのアイデアが実現可能であるかを検証する際に用いられています。ただ、PoCと同じ文脈で使われることも多く、明確に区別されているわけではありません。

AWSにおけるPoCとは?

なお、AWSで新たなシステムを構築する際もPoCは極めて重要です。AWSで新たなシステムを構築する際も、想像した通りの結果が得られるかどうかは、実際に環境を構築して動かしてみないとわかりません。AWSは簡単に環境を構築して削除できることから、PoCを実施するのにも適している環境といえるでしょう。

PoCの簡単な流れ

続いて、PoCの進め方についてステップごとに紹介していきます。

ステップ1:検証のゴール、目的の設定

まず、PoCで何を検証・測定するのか、何を確認できたら成功といえるのか、何を目的に検証を行うのかを明確にする必要があります。最初にこれらが明確になっていないと、検証内容がぶれてしまい、検証が無意味なものになってしまいます。検証のゴール・目的を明確に定め、プロジェクト内で認識合わせを行っておきましょう。

ステップ2:スケジュールの策定、検証内容の作成

ステップ1で決めた検証のゴールや目的をもとに、PoCを実施するのにかかる時間と費用感を算出します。その上で、具体的な検証内容・検証項目を作成していきます。何を検証するのか、しないのかは検証のゴールに基づいて判断しましょう。検証のゴールと検証内容が合致していなければ、PoCの実施後に正しい評価を下すことはできません。

ステップ3:検証の実施

ステップ2で決めた内容に基づいて実際に検証を進めていきます。検証をする際は、ターゲットとして想定しているユーザーに検証してもらうのが望ましいと考えられています。また、客観的で説得力のあるデータを得るために、さまざまな立場の人に検証をしてもらうようにしましょう。

ステップ4:検証結果の評価

ステップ3で行った検証内容を評価するフェーズです。検証内容をもとに技術的な実現可能性や費用対効果などを確認し、投資の判断材料となる情報をまとめます。想定通りもしくは、想定以上の結果でそのまま製品開発に進むこともあれば、想定していた結果が得られず、反省点をもとに新たなアイデアを考えることになるケースもあります。

AWS導入時にPoCを実施するメリット

AWS導入時にPoCを実施すべき理由としては、大きく以下の2点が挙げられます。

リスクの軽減

1点目のメリットは、リスクの軽減にあります。事前に検証をしておくことで、実際にシステムを稼働させる前に、致命的になりうる問題を検知し、解消できます。新たなサービスを立ち上げる場合は、実際に使ってみないと気づけない点も多いため、PoCを実施するだけで大幅にリスクを軽減できるのです。

費用対効果を算出しやすくなる

2点目のメリットは、費用対効果を算出しやすくなる点です。検証で動かしてみることで、どれだけコストがかかるのか試算しやすくなります。そして結果的に、より正確な試算をもとにIT投資の判断ができるようになります。

AWSのPoCを実施する上で注意すべきこと

続いて、AWSでの新たなシステム構築時に注意すべき点を2つ紹介します。

ゴールを明確に定める

1点目は、プロジェクト開始時にゴールを明確に定める必要がある、ということです。検証は行き当たりばったりで行わず、検証の目的を明確に定め、事前にプロジェクトメンバーの間で認識を合わせておきましょう。また、検証項目や検証の進め方にいたるまで、具体的に決めるのが望ましいとされています。

本番に近い環境で検証を行う

2点目は、検証を行う際はできるだけ本番環境に近い環境で行うことです。検証の目的は本稼働後のリスク軽減であるため、検証の環境が本番環境と全然違っていたら検証の意味をなしません。すべてを本番環境に合わせる必要はありませんが、検証したいことを正しく検証できる環境を用意しましょう。

TOKAIコミュニケーションズが提供している「AWSマイグレーションサービス」とは?

最後に、TOKAIコミュニケーションズが提供している、AWSへの移行サポートサービス「AWSマイグレーションサービス」について紹介します。

AWSマイグレーションサービスとは

AWSマイグレーションサービスは、AWSへの移行を全面的に支援するサービスです。豊富な導入実績を持つ弊社が、アセスメントフェーズから稼働後の運用フェーズまでワンストップでサポートします。移行前の計画フェーズでは、お客様からのヒアリングに基づいて移行計画を立てた後、AWS上に環境を構築してPoCを行います。移行フェーズでは、CloudEndure MigrationやAWS Direct Connectなど、AWSのさまざまなツールを用いて、お客様の要望に沿った移行を実施しています。また、これまでのAWS導入経験に基づいて移行にかかるコストを試算しているため、コスト面の心配も事前に解消できます。

なお、AWSマイグレーションサービスについて詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。

AWSマイグレーションサービス | TOKAIコミュニケーションズ AWSソリューション

まとめ

PoCを行ってから移行を始めれば、移行後に起こりうる問題に事前に気づいて対応することができます。また、コストの観点でも、実際に環境を立ち上げて検証したほうが、より正確な概算が出せるためPoCは重要です。ただ、PoCを実施する際は明確なゴールを定めた上で、綿密な計画を立てて進めていく必要があるため、専門的な知識が求められます。お悩みの方は豊富な実績とノウハウを持つ弊社まで、お気軽にご相談 新規ウィンドウで開くください。

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